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Context私がメインで扱うクラシック音楽は、現代日本で苦境に立たされているといっても過言ではありません。コロナ禍に謳われた「不要不急」の最たるものとしてエンタメが取り上げられ、「生演奏」に多くの価値を置くクラシック音楽やオーケストラコンサートといったものは活躍の幅が狭まってしまいました。
また、「タイパ」が重視され、短期間で多数の刺激を求める現代社会において、じっくり時間をかけ、聴覚刺激から想像を膨らませるエンタメであるクラシック音楽というものはかなり特異な存在といえるでしょう。「贅沢で高尚なもの」というイメージが固定概念として強く世間に根付いてしまい、その結果文化的な位置づけが昔よりもかなり変わってしまい、「衰退した」といわれる側面を持つ芸術分野になってしまいました。
ただ、私にとってクラシック音楽というものはただ「古い作品群」ではなく、長い歴史を通して人が紡いできた歴史表現の賜物だと思っています。自分が出会った師匠や一緒に演奏の機会に立ち会った巨匠からは技術だけではなく、その伝統や文化、想いといった、様々な目に見えないものを継承してきました。その師匠や巨匠達も多くの師匠や巨匠から受け継いでいるはずです。
クラシック音楽を「昔のもの」として保存するのではなく、今を生きる人にとって切実なものとし、「古いけど新しい」タイトルにある「ネオ・プリミティブ」なエンタメの手段として存在する世の中を創りたいと考えています。
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Approach音楽と観客のあいだにある体験を、更新する。
ただし、伝統的な形式をそのまま踏襲するだけでは、現代の観客との距離が広がってしまうこともあります。まさしく今の多くのクラシック音楽会はそうと言えるでしょう。そこで私は、音楽そのものではなく、音楽と観客のあいだにある体験を更新するということを目標にしたい。
扱う作品をポップス化したり、演出によって別のものへ置き換えたりするのではなく、作曲家が残した音楽を、そのままの強度で提示する。その一方で、会場、照明、導線、時間の使い方、プログラムの組み方、観客が音楽へ入っていく入口などを丁寧に設計し直すことで、クラシック音楽と現代の再接続を試みます。
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UX Design抱えるアイデア
クラシック音楽界のUXデザイン
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誘導
大手グルメガイドサービス「食べログ」では、目的やエリア、予算などから店を探し、比較しながら自分に合った選択へ進めます。クラシック音楽会でも、いつ・どこで・どのような公演があるのかを集約し、関心や気分に応じて自然に出会える導線をつくります。
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来場
日本一の満足度を誇るレジャー施設「東京ディズニーリゾート」では、入園前からチケットや予約の体験そのものが期待感を高め、来場が特別な出来事として始まります。クラシック音楽会でも、手に取った瞬間から気分が高まるチケットや受付体験を設計し、公演への没入を会場の外から始めます。
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余韻
世界のオーケストラの中で屈指のYouTube登録者数を誇る「hr-Sinfonieorchester」のYouTubeでは、演奏の記録を単なるアーカイブに留めず、映像によって作品の空気や舞台の熱量を再体験できる形で届けています。クラシック音楽会でも、終演後に感動を呼び起こし、作品との関係を持ち帰れるシネマティックな映像体験をつくります。